患者様からのお問い合わせで、
「歯が抜けたけど、まだ痛くないから様子見でいいですか?」
「生活に支障は特にないから抜けたまま放置してますが大丈夫ですか?」
と質問をいただくことがあります。
結論からお伝えすると、
本当に危険な状態だと認識してください。
実は、歯を1本失っただけでも、放置することで
“見た目・噛み合わせ・全身の健康”
に深刻な問題を引き起こすリスクがあります。
その「様子見」「放置」が、将来のお口と全身の健康に大きな影響を及ぼすんです。
この記事では、歯が抜けたまま放置してはいけない「3つの理由」を、わかりやすく解説していきます。
目次
理由① 顔の見た目が変わる!?「骨が痩せる」現象
歯が抜けたまま放置すると、時間の経過とともに顎の骨が痩せてしまうという現象が起こります。
これは専門的には「骨吸収(こつきゅうしゅう)」と呼ばれます。
噛む力が「骨の健康」を支えている
健康な状態では、噛むたびに歯根を通して「力(刺激)」が顎の骨に伝わります。
この刺激は、骨の新陳代謝を活性化し、骨の厚みや高さを維持するために不可欠です。
ところが、歯が抜けてしまうとこの刺激が伝わらなくなり、骨は「役割を終えた組織」として、徐々に体に吸収されていきます。
どんな見た目の変化が起こるのか?
骨が痩せると、歯ぐきや周囲の筋肉の支えが失われ、顔全体の輪郭にこのような変化が出てきます。
頬がこける
頬の内側を支えていた骨が失われ、皮膚が内側に落ち込む
口元がしぼむ
唇を内側から押し出す力がなくなり、口元が寂しい印象に
フェイスラインがたるむ・ぼやける
下顎の骨量が減り、顔の下半分がたるんだようなシルエットに
これらの変化により、実年齢よりも老けた印象を与えてしまうことがあります。
見た目の変化はゆっくり進行する
この骨吸収は、少しずつ静かに進行するのが厄介なポイント。
1〜2年では目立たなくても、5年、10年と時間が経つほどに顕著になります。
例えば、上顎の前歯を失った方では、5年間で最大25%以上の骨量が減少するという報告もあります。
つまり、「まだ困っていないから大丈夫」と思っているうちに、気づいたら“元の顔立ちに戻せない”状態になってしまうこともあるのです。
理由② 噛み合わせのバランスが崩れる
歯は、単に1本ずつ独立しているのではなく、全体でバランスを取りながら機能する「チーム」のような存在です。
そのため、たった1本でも歯を失うと、バランスが崩れ、他の歯やお口全体にさまざまな影響を及ぼしてしまいます。
上の写真の方も、最初は奥歯1本を抜いたが、その後歯医者に通わず放置したことで隣の歯がぐらつき始め自然に抜けてしまいました。
歯は“動く”性質をもっている
実は、歯は骨に固定されているようでいて、完全には固定されていません。
歯根膜というクッション組織があり、日常的な力(咀嚼や歯ぎしり)に応じて微妙に動きながらバランスを保っています。
しかしこの性質が、歯を失った際に“悪い方向に動いてしまう”原因になるのです。
抜けた部分に起こる3つの代表的な変化
隣の歯が倒れ込む(傾斜移動)
歯が1本抜けたままだと、その両隣の歯が空いたスペースに向かって傾いて倒れ込むように動いてしまいます。
これにより、歯の間に食べ物が詰まりやすくなったり、歯ぐきの炎症を引き起こしやすくなります。
噛み合う歯が伸びてくる(挺出:ていしゅつ)
上下の歯は、噛み合う相手がいなくなると、刺激を求めてゆっくりと伸びてきます。
本来の位置よりも下がってくることで、かみ合わせが狂い、噛むたびに違和感や痛みを感じることも。
全体の歯並びが乱れやすくなる
ひとつ動き出すと、連鎖的に周囲の歯の位置も少しずつズレていきます。
最初は気づかない程度でも、数年経つと「なんとなく噛みにくい」「歯並びが変わった気がする」という不調につながっていきます。
噛み合わせの崩れが引き起こす全身のトラブル
噛み合わせは、単なる「歯の問題」だけでなく、顎関節や首・肩・頭など全身のバランスにも影響を及ぼします。
たとえば:
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顎関節症(あごの痛み・カクカク音・開けづらさ)
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頭痛・肩こり(筋肉の緊張や姿勢の崩れ)
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めまいや耳鳴り(顎まわりの筋肉や神経との関連)
など、原因が歯だと気づきにくい不調につながることもあるのです。
見えない“ゆがみ”が日常に影響を与える
抜けた歯の部分を放置していると、
-
片側だけで噛む癖がつく
-
無意識に硬い物を避けるようになる
-
発音がしづらくなる
など、日常生活の質がじわじわと低下していきます。
「食べることが楽しめなくなった」「何を食べても違和感がある」
そんな声をいただく患者さんも、実は噛み合わせのバランスが崩れているサインかもしれません。
理由③ 噛めないことで「全身の健康」にも影響
「たった1本の歯を失っただけ」と思っていても、その1本が果たしていた“噛む”という機能が損なわれると、実はお口の中だけでなく、全身の健康にまで悪影響を及ぼす可能性があります。
しっかり噛めないと「消化器官」に負担がかかる
歯の役割のひとつが、「食べ物を細かく砕き、唾液と混ぜて飲み込みやすくすること」。
しかし、歯が抜けて噛みにくくなると、どうしても食べ物をよく噛まずに飲み込むクセがついてしまいます。
その結果──
胃もたれ・胃痛
大きな塊のまま食べ物が胃に到達するため、胃が無理して消化しようとし、負担がかかります。
胃酸の過剰分泌(胃酸過多)
消化を助けようと胃酸の分泌が増え、胸焼けや逆流性食道炎のリスクも高まります。
腸の消化吸収能力の低下
消化が不十分なまま腸に送られることで、栄養の吸収率が落ちてしまうのです。
特に高齢の方や胃腸が弱い方では、体力低下や栄養失調の原因にもなりかねません。
噛むことは「脳への刺激」にもなる
最近の研究では、「噛む」という行為が脳を活性化させる働きを持っていることも分かってきています。
しっかりと噛むことで、
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脳内の血流が促進される
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記憶や判断をつかさどる海馬が刺激される
-
集中力や思考力が高まる
といった効果が期待できます。
つまり、噛む力が衰えることは、“脳の働き”にもブレーキがかかることを意味します。
実際に、歯を失った人は認知症の発症リスクが高くなるという報告もあり、歯と脳の関係はますます注目されています。
「食べる楽しみ」が減ると、心の健康にも影響が
食事は栄養を摂るだけでなく、「楽しみ」や「生きがい」としても大切な役割を持っています。
しかし噛めない状態が続くと──
-
好きなものが食べられない
-
外食や会食が憂うつになる
-
食事中の会話を避けるようになる
など、気分の落ち込みや孤立感につながることも。
とくに高齢の方にとって、「噛める」ことは生活の質(QOL)を大きく左右する要素のひとつです。
歯を1本失うことが「健康全体」に波及する
歯を1本失うことで──
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噛みにくい → 消化器官に負担
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噛めない → 脳の刺激が減少
-
食べられない → 心が沈む
こうした小さな連鎖が、やがて全身の健康問題へとつながるのです。
たった1本でも…絶対に放置は厳禁!
「まだ大丈夫」「1本くらい平気」
そう思って放置してしまう方は少なくありません。
けれど、歯は1本でも失うと──
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顔の見た目に影響が出る
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噛み合わせが崩れて、他の歯まで悪くなる
-
消化や脳の働き、全身の健康にも影響が出てしまう
といった“見えないところ”で少しずつ不調が広がってしまうことがあります。
だからこそ、歯を失ったときは「どう補うか」がとても大切です。
抜けた歯の治療方法には、ブリッジ・入れ歯・インプラントなど、いくつかの選択肢があります。
それぞれにメリット・デメリットがあり、どの治療法が合うかは、お口の状態やライフスタイルによって変わってきます。
まずは、今のお口の状態を正しく知ることが大切です。
「このままでも大丈夫かな…」「治療するならどんな選択肢があるんだろう?」
そんな疑問がある方は、まずは気軽にご相談ください。
無理に治療をすすめることはありません。
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